日本生殖内分泌学会でAQ10(エーキューテン)の服用効果に関する報告がなされました

平成28年1月9日 日本生殖内分泌学科

平成28年1月9日に神戸で開催された日本生殖内分泌学会において、サプリメント「AQ10(エーキューテン)」の服用効果に関する発表がなされました。 サプリメント「AQ10(エーキューテン)」を3か月間継続服用することにより、精子濃度(精子数)及び精子運動率がともに改善することが報告されています。 以下では、その発表の要旨を抜粋し、解説をいたします。

主成分は、コエンザイムQ10、亜鉛(Zinc)、セレニウム、カルニチン

サプリメント「AQ10(エーキューテン)」は、精子濃度(精子数)、精子運動率の改善に寄与するとの報告がなされている、コエンザイムQ10、亜鉛(Zinc)、セレニウム、カルニチンの4成分が多く配合されており、特にコエンザイムQ10は1日当たり150mgと高水準に配合されています。 また、ビタミン等の栄養バランスにも配慮がなされています。

サプリメント「AQ10(エーキューテン)」とは

サプリメント「AQ10」の1日あたり(4粒/日)配合内容は以下のとおり。

配合内容(4粒あたり)

コエンザイムQ10
150mg
カルニチン
30mg
セレン
50μg
亜鉛
15mg

栄養成分(4粒あたり)

コエンザイムQ10
日本/日本
カルニチン
スイス・中国/日本
セレン
米国/米国
亜鉛
米国/米国

栄養成分(4粒あたり)

エネルギー
13.02kcal
たんぱく質
0.68g
脂質
0.97g
炭水化物
0.39g
ナトリウム
3.20mg
ビオチン
60μg
ビタミンE
80mg
ビタミンC
80mg
ビタミンA
2000IU
ビタミンB1
1.28mg
ビタミンB2
1.25mg
ビタミンB6
0.79mg
ビタミンB12
1.3μg

特徴 1

CoQ10配合量は、1日あたり150mgと高水準。

特徴 2

精子数・精子運動率の改善に関して論文による裏付けがあるコエンザイムQ10(CoQ10)、亜鉛(Zinc)、セレニウム(seleniu m)、カルニチン(L-carnitine)が主成分

特徴 2

ビタミン等の栄養バランスにも配慮

なお、コエンザイムQ10、亜鉛(Zinc)、セレニウム、カルニチンに関する関連論文は以下の通りです。

コエンザイムQ10(CoQ10)

論 文 ①

Nadjarzadeh A, Shidfar F, Amirjannati N, Vafa MR, Motevalian SA, Gohari MR, Nazeri Kakhki SA, Akhondi MM, Sadeghi MR. Effect of Coenzyme Q10 supplementation on antioxidant enzymes activity and oxidative stress of seminal plasma: a double-blind randomised clinical trial.
Andrologia. 2013 Jan 7.doi: 10.1111/and.12062.

論文①のポイント

・3ヶ月のCoQ10の摂取が精漿(せいしょう)での酸化ストレスを減らし、精子の検査数値と酸化防止酵素の活動の改善に寄与している。

論 文 ②

Safarinejad MR, Safarinejad S, Shafiei N, Safarinejad S. Effects of the reduced form of coenzyme Q10 (ubiquinol) on semen parameters in men with idiopathic infertility: a double-blind, placebo controlled, randomized study.
J Urol. 2012 Aug;188(2):526-31. doi: 10.1016/j.juro.2012.03.131. Epub 2012 Jun 15.

論文②のポイント

・コエンザイムQ10の継続的な投与と精子の濃度、運動率、正常形態率に良好な関連があることが判明した。

亜鉛(Zinc)

論 文

Atig F, Raffa M, Habib BA, Kerkeni A, Saad A, Ajina M. Impact of seminal trace element and glutathione levels on semen quality of Tunisian infertile men.
BMC Urol. 2012 Mar 19;12:6. doi: 10.1186/1471-2490-12-6.

論文のポイント

・健常者と不妊患者の精液を調べた結果、健常者の亜鉛の精漿(せいしょう)中の濃度は男性不妊患者グループと比べ高いことがわかった。

・亜鉛は運動率と精子数と重要な関係があった。

・セレニウムは運動率だけに関係があった。

セレニウム(selenium)

論 文

Camejo MI, Abdala L, Vivas-Acevedo G, Lozano-Hernández R, Angeli-Greaves M, Greaves ED. Selenium, copper and zinc in seminal plasma of men with varicocele, relationship with seminal parameters.
Biol Trace Elem Res. 2011 Dec;143(3):1247-54. doi: 10.1007/s12011-011-8957-5. Epub 2011 Jan 15.

論文のポイント

・精漿(せいしょう)中のセレンは良い精子濃度、運動率、正常形態率と関係があった。
・亜鉛のレベルは精子数と正の関係があった。
・セレン濃度の減少は精子数値の損傷と関係がある。

カルニチン(L-carnitine)

論 文

Abad C, Amengual MJ, Gosálvez J, Coward K, Hannaoui N, Benet J, García-Peiró A, Prats J.  Effects of oral antioxidant treatment upon the dynamics of human sperm DNA fragmentation and subpopulations of sperm with highly degraded DNA.
Andrologia. 2013 Jun;45(3):211-6. doi: 10.1111/and.12003. Epub 2012 Sep 3.

論文のポイント

・3ヶ月間の経口抗酸化治療(L-カルニチン1500mg、ビタミンC60mg、CoQ10 20mg、ビタミンE10mg、亜鉛10mg、ビタミンB9 200μg、セレン50μg、ビタミンB12 1μg)を行った。

・無傷のDNAの精子が明らかに増加し、損傷したDNAの精子が減少した。

・精子濃度、運動率、正常形態率の数値が改善した。

分析対象とした男性不妊患者は、全部で63名

対象となったのは、男性不妊患者63名で、対象者はAQ10(エーキューテン)を毎日4粒ずつ、3か月またはそれ以上の期間 に渡り服用しました。分析は、その継続服用前と3ヶ月超の服用後の精子濃度(精子数)と精子運動率を比較しています。

有効性の判定は、
t検定という統計学的検定法によって実施

t分布とは、連続的な確率分布のことで、裾野が広い正規分布のイメージです。P値は、信頼区間から外れる確率を意味して います。それが5%(0.05)よりも小さければ統計的に有意な差がある、すなわちサプリメントの効用があると結論付けられる のです。そして、その統計解析の結果は次のようになりました。

【結論】AQ10(エーキューテン)は精子濃度を増加させます

精子濃度の変化

【結論】AQ10は精子濃度を増加させる。
但し、AQ10毎日4粒ずつ3ヶ月またはそれ以上服用

<2群の母平均の差の検定(対応あり)>

精子濃度グラフ

なお、精子濃度の改善状況をグラフ化した結果が以下です。

AQ10投与前後における精子濃度の変化

精子濃度グラフ

また、【結論】AQ10(エーキューテン)は 精子運動率を増加させます

精子運動率の変化

【結論】AQ10は精子の運動率を増加させる。
但しAQ10毎日4粒ずつ3ヶ月またはそれ以上服用

<2群の母平均の差の検定(対応あり)>

<2郡の母平均の差の検定(対応あり)>グラフ

なお、精子濃度の改善状況をグラフ化した結果が以下です。

AQ10投与前後における精子運動率の変化

<2郡の母平均の差の検定(対応あり)>グラフ

以上のように、男性不妊患者63名に対するAQ10(エーキューテン)の服用効果は、精子濃度・精子運動率ともに改善させ ると結論づけられました。

では、実際の改善例はどのようになっているのでしょうか。
発表では、分析対象となった63名の詳細データが示されていましたが、ここでは特に顕著に改善が認められた上位5名につい て具体的にピックアップしてお示しします。

【精子濃度】著効例5名の服用前後の改善率は83~168%、
全員がWHOの下限基準値を突破

精子濃度の改善の様子<著効例5名>

グラフ

表

調査対象となった前63名のうち、服用前後の改善率が著明だった5名についてグラフ化すると上記のようになりました。 改善率は83~168%と高水準であり、著効例5名については、全員がWHO(世界保健機関)が示す下限基準値を突破するという結果になっています。

精子運動率

精子運動率の改善の様子<著効例5名>

グラフ

表

調査対象となった全63名のうち、服用前後の改善率が特に著明だった5名についてグラフ化すると上記のようになりました。 改善率は88~186%と高水準でした。5名中5名がAQ10(エーキューテン)服用前にはWHO(世界保健機関)が示す 下限基準値である40%を下回っていましたが、服用後には5名中4名が下限基準値40%を突破するという結果になっていま す。

その後の妊娠報告も確認されています

今回調査対象となった63名に関する追跡調査の結果、9名に関して妊娠の確認がなされているとのことです。

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